眠りをサポート!寝る前に食べると良い食品

眠りをサポート!寝る前に食べると良い食品

睡眠の役割は、脳と身体を休息させ、回復をはかることですが、質の良い睡眠を得ることは、存外難しいものです。

睡眠不足の状態では、脳が休めていないため、正常な判断を行えなくなります。

集中力の低下のほか、思考力や判断力、記憶力の低下をはじめ、意欲が湧かなくなったり、体力が無くなってしまったり、攻撃的になるといった結果を招き、過度のストレスを抱えて過ごすことになってしまいます。

こちらの記事では、快眠を得るために必要となる食材や飲み物、快眠を妨げる、避けるべき食材や飲み物に関し、まとめて説明をしていきたいと思います。

快眠を促す!寝る前にもおすすめの食材

良い眠りを作り出す栄養素の代表に、トリプトファンという必須アミノ酸があります。
必須アミノ酸は体内で作ることができないため、食材から摂取する必要がある成分です。

トリプトファンは体内でセトロニンという神経伝達物質に変化し、夜になるとメラトニンという睡眠ホルモンに変化します。
睡眠の質を上げるメラトニンは、セロトニンによって生成されるため、セロトニンの元になる食品を摂取することが、快眠に効果があると考えられています。

1、バナナ
バナナにはトリプトファンが豊富に含まれており、セロトニンとメラトニンの生成を促進します。
これらのホルモンはリラックス効果があり、睡眠の質を改善するのに役立ちます。
手軽に食べられるバナナを、朝食だけでなく、夕食時に少量摂ることも検討してみてください。

2、アーモンド・カシューナッツなどのナッツ類
アーモンドにはマグネシウムとメラトニンが含まれており、カシューナッツにはマグネシウムやトリプトファン、亜鉛、ビタミンB6が含まれています。

マグネシウムには筋肉の弛緩を緩める作用があり、身体を適度にリラックスさせます。
亜鉛は正常な睡眠サイクルをサポートする働きがあり、ビタミンB6は睡眠調節ホルモンのメラトニンの生成を助けます。
これらのナッツを適量摂ることにより、深い眠りを得ることができるという訳です。

3、オートミール
就寝前に血糖値が急激に上昇すると、睡眠の質が低下する可能性がありますが、オートミールには血糖値を安定させる効果があり、寝つきを良くします。
さらに、オートミールはトリプトファンも含んでおり、良質な睡眠をサポートします。

その他にも、豆腐や味噌、納豆といった大豆製品や、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品、卵、サーモン、肉類、穀類などにも含まれていますが、動物性の食品には、脂肪分も多く含まれている場合があるので、夕食に肉類を摂る場合などは、脂肪分の少ない赤身肉にするなど、工夫をしてみると良いでしょう。

トリプトファンに加え、GABAも併せて摂取できると良い栄養素の一つです。
というのも、GABAには自律神経系の交感神経を抑え、副交感神経を優位にする働きがあるからです。
副交感神経が優位になると、人間は身体を休めるモードに切り替わるため、眠気が増し、入眠しやすくなるという訳です。

GABAは、発芽玄米に多く含まれる成分ですが、その他にもトマトやキノコ類、味噌・醤油といった発酵調味料、漬物やキムチなどの発酵食品にも多く含まれています。
トリプトファンを多く含む食品と併せ、効果的に摂取してみましょう。

寝る前に適した飲み物とは?

食べ物の他にも、寝る前に身体に入れておくと効果が得られ得る飲み物を見ていきましょう。

1、ハーブティー
カモミールティーやラベンダーティーなどのハーブティーは、リラックス効果があります。
これらのハーブに含まれる成分が神経を鎮め、ストレスを軽減し、心地よい眠りを誘います。
カフェインを含まないため、就寝前に安心して摂取できます。

2、ホットミルク
温かいミルクにはトリプトファンとカルシウムが豊富に含まれています。
トリプトファンはセロトニン合成に関与し、リラックス効果を促します。
カルシウムは神経細胞の正常な機能をサポートし、睡眠の質を向上させます。
温かいミルクは心地よく、体をリラックスさせるために最適な飲み物です。

3、生姜湯
身体を温める効果のある生姜湯もおすすめです。生姜は生でなく、パウダーやチューブタイプのもので十分です。
手軽に作れる点も良いところです。
はちみつを加えることで、飲みやすくなり、併せて疲労回復効果も期待できます。

4、白湯
生姜湯同様、胃腸を温めることができる白湯は、副交感神経が優位になり、心が穏やかになる作用があります。
また、血行が良くなり、冷えも改善されるため、安眠効果が得られます。

5、トマトジュース
トマトに含まれるトリプトファンの働きで、高い安眠効果が期待できます。
飲む時間は、就寝の1時間前が最も良いタイミングと言われています。

これらの飲み物は就寝前に摂取することでリラックス効果をもたらし、睡眠の質を向上させることが期待できますが、相性などもあると思いますので、色々と試してみて、自身の身体と好みに合った飲み物を選びましょう。

 

睡眠に影響も!寝る前に食べるのを避けたい食材や注意点

次に、就寝前に避けた方が良い食材について見ていきましょう。

1、香辛料を多く使った料理
辛い料理やスパイスの効いた食べ物は、胃の酸度を上げることがあります。
これによって、胃の不快感や胃酸の逆流が引き起こされ、快眠を妨げる原因となります。
就寝前には、辛さを抑えた食事を心がけましょう。

2、脂肪分や油分の多い食品
脂肪分や油分の多い食品は、消化に時間がかかるため、胃の負担を増やすことがあります。
就寝前に大量の脂肪を摂取すると、胃の不快感や胃もたれを引き起こし、快適な睡眠を妨げる可能性があるので、脂肪分を控えめにした、軽めの食事にしましょう。

3、アルコール
アルコールのリラックス効果は、睡眠に最適と思われがちですが、実は睡眠の質を低下させる可能性があります。
アルコールは寝付きを早める一方で、深い睡眠やレム睡眠を妨げることもあるため、快適な睡眠を得るためには、アルコールは適量に留めるか、可能ならば控えた方が無難です。

4、カフェインを含む飲み物
コーヒーや紅茶、エネルギードリンクなどに含まれるカフェインは、覚醒効果があります。
就寝前に摂取すると、眠気を感じにくくなり、入眠が困難になることがあります。
カフェインの摂取は、就寝前の数時間は避けるようにしましょう。

上記の食材や飲み物を摂取して、眠れなくなるわけではありませんが、ふとしたきっかけで睡眠を妨げる可能性が高いものです。
日常的に避けて生活をし、睡眠の質を落とさないように過ごしたいものです。

 

まとめ

快適な睡眠を得るためには、胃腸の働きが落ち着いた状態で、眠りに付くことが望ましいです。
そのため、食事は就寝の3時間前には終わらせておくと良いでしょう。

平日フルタイムで勤務という方の中には、日々の夕食まで気が回らない、というのが現実かもしれませんが、例えば上記の中から、自分のライフスタイルにあった組み合わせを選び(鮭の塩焼きに発芽玄米を混ぜたご飯と、キノコのお味噌汁、白湯を一杯飲んでから寝る、という具合で)ルーティン化しておくのもおすすめです。

また、食事以外でも、できる範囲で規則正しい生活を心がける(入浴、寝る前のスマホを控える、12時までに横になる等)ことや、ストレッチなどの適度な運動、ストレスを発散・解消する方法を併せ持っておくことなども重要です。

健康的な日々は、安眠から始まります。
睡眠の質を上げ、快適に過ごせるようになるといいですね。

※本記事は管理栄養士監修のもと作成しております



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